
来日公演 Japan Tour 2025
■東京 武蔵野公演 SOLD OUT
❖日にち : 2025年8月4日(月)
❖時 間 : Open 18:30 / Start 19:00
❖会 場 : 武蔵野市民文化会館 小ホール
東京都武蔵野市中町3-9-1 ▶ アクセス
❖お問合せ :武蔵野文化生涯学習事業団 ▶ 詳細
TEL. 0422‐54‐2011
■兵庫 神戸公演
❖日にち : 2025年8月11日(月祝)
❖時 間 : Open 15:30 / Start 16:00
❖会 場 : 神戸 100BANホール
神戸市中央区江戸町100 ▶ アクセス
❖料 金 : 全席自由(整理番号順入場)
前売 一般 5,000円 / 学生(大学生まで) 2,500円
当日 一般 5,500円 / 学生(大学生まで) 3,000円
※未就学児の入場はご遠慮頂いております。
❖予 約 : 4/5(土) 10:00発売
イープラス ▶ こちら
ネット予約 ▶ こちら
❖お問合せ :Harmony Fields 0798‐55‐9833
<来日メンバー>
ジェレミー・ダッチャー Jeremy Dutcher (ピアノ/ヴォーカル)
トム・ギル Thom Gill (ギター)
ステファン・シュナイダー Stefan Schneider (ドラム/パーカッション)
プロフィール Profile

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「100年の時を超え、先祖の声を現代へ蘇らせる音楽」
ジェレミー・ダッチャーは、カナダ東部の先住民族ウォラストク族の人々が暮らす「トビーク・ファースト・ネーション」にある地域、ネコトク(Neqotkuk)の出身。
クラシック音楽の教育を受けたテノール歌手でありながら、トゥー・スピリットの存在としての表現者、多彩な表現者、活動家、そして民族音楽学者という多くの顔を持っている。
デビューアルバム『Wolastoqiyik Lintuwakonawa』では、100年以上前に録音された先祖たちの歌声をもとに、グランドピアノとともに新たな音楽として蘇らせた。この作品は、消滅の危機にある母語「ウォラストケイ語(Wolastoqey)」で歌われており、2018年にカナダの最高音楽賞「ポラリス・ミュージック・プライズ」を受賞。この成功が、ヨーヨー・マやレスリー・ファイストといった世界的アーティストとの共演へとつながっていった。
そして2024年、2枚目のアルバム『Motewolonuwok ᒣᑌᐧᐁᓓᓄᐧᐁᒃ』で、再びポラリス賞を受賞。史上初となる2度の受賞者となった。
クラシックやジャズの要素に加え、遊び心、伝統歌への深い敬意、そして現代の社会運動の緊張感をも融合させている。その自由な生き方や、先住民族としての誇り、言語の復興運動、独自のファッションセンスにも注目が集まってる。 昨年2024年7月には、ノルウェー北部のコーフィヨルドで行われた国際先住民族フェスティバル「リドゥ・リドゥ(Riddu Riđđu)」に出演。さまざまな文化が交わるこの舞台で、彼の音楽とメッセージは観客の心を強く打った。

<Official Website >
共演者 Co-Performer Profile
■トム・ギル Thom Gill
カナダ・トロント出身のギタリスト、マルチ奏者、作曲家、プロデューサー、ボーカリスト。アンビエントR&Bプロジェクト「THOMAS」や、インディーポップバンド「Bernice」、ラウンジ風ジャズバンド「The Titillators」など、さまざまなプロジェクトで活動。また、マルタ・ウェインライトのアルバム『Love Will Be Reborn』では、ギター、キーボード、コーラスなどで全面的に参加している。2022年には、サム・ウィルクス・クインテットのメンバーとして「FESTIVAL de FRUE 2022」に出演し、日本での公演を行った。音楽スタイルは、アンビエント、R&B、インディーポップ、ジャズなど多岐にわたり、ジャンルを超えた独自のサウンドが特徴。
■ステファン・シュナイダー Stefan Schneider
カナダ・オタワ出身のドラマー兼パーカッショニストで、クラシック打楽器とジャズドラムを大学で学び、20年以上にわたりカナダ全土でプロのミュージシャンとして活動している。
ジュノー賞を受賞したインストゥルメンタル・アンサンブル「Bell Orchestre」や、
リチャード・リード・パリーの「Quiet River of Dust」、トロントを拠点とする12人編成の室内楽団「The Queer Songbook Orchestra」のオリジナルメンバーとしても知られてる。また、インディーグループ「The Luyas」のメンバーとして13年以上活動し、ジョラン(Jorane)、サフィア・ノリン(Safia Nolin)、サラ・ニューフェルド(Sarah Neufeld)など、多くのアーティストとの共演やレコーディングを行ってる。


映像 Movie
Yo‑Yo Ma×Jeremy Dutcher「Honor Song」
失われゆく言葉に、未来への祈り。
世界的チェリスト Yo‑Yo Ma(ヨーヨー・マ)が、文化と言語の多様性と人類の未来への希望をテーマに、世界中のアーティストとともに制作したアルバム『Notes for the Future』(2021)。Jeremy Dutcherは、この作品に「Honor Song」で参加。
北米先住民族のアンセムとして歌われるこの楽曲は、失われゆく言葉に未来への祈りを込めた、力強くも静かなメッセージ。

ジェレミーを形作る5つの要素
音楽学者 THE MUSICOLOGIST
ジェレミー・ダッチャーは、カナダ・ニューブランズウィック州のトビーク・ファースト・ネーションに属するウォラストカ(マリシート)族の一員です。彼のコミュニティで話されるウォラストク語(Wolastoqey/Maliseet)は、カナダの多くの先住民族の言語と同様に絶滅の危機に瀕しており、ジェレミーは音楽を通じて言語と文化を保存することに情熱を注いでいます。この関心から、彼はカナダ歴史博物館で研究プロジェクトを開始し、1907年から1913年の間に蝋管録音された伝統的なマリシート族の歌を転写しました。これらの歌の多くはすでに世代を超えて伝えられなくなっていましたが、彼はそれらを故郷に戻したいと考えました。そして、録音されたメロディーにピアノの旋律をつけ、拡張しながら楽曲を完成させていきました。こうして、先祖の声を歌や会話、笑い声とともに織り交ぜたアルバム『Wolastoqiyik Lintuwakonawa』が誕生しました。
Billboardの2018年のQ&A記事 ▶ こちら
オペラ・テノール THE OPERATIC TENOR
ジェレミー・ダッチャーは、かつての“劇場少年”からオペラ・テノールへと成長しました。ダルハウジー大学で音楽を学んだ後、人類学へと進路を変更しました。彼の鍛え上げられた声は、過去の歌やメッセージを現代、そして未来へと運ぶ“伝達者”となっています。また、彼のクラシック音楽の素養は、デビューアルバムのメロディーにも影響を与えており、伝統的なウォラストク族の歌と融合しています。彼は先住民族の言語やメロディーをオペラの声楽や西洋楽器(主にピアノ、ウッドベース、弦楽四重奏)と組み合わせる革新的な手法で、瞬く間に注目を集めました。『Wolastoqiyik Lintuwakonawa』は2018年のポラリス・ミュージック・プライズを受賞し、2019年にはジュノ賞「インディジナス・ミュージック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。その後、オーケストラ版も制作されました。
ジェレミーの音楽 ▶ Spotify
▶ YouTube(Wolastoqiyik Lintuwakonawa)

コミュニティの一員 THE COMMUNITY MEMBER
ジェレミー・ダッチャーの言語保存への情熱は、彼のコミュニティと育った環境に根ざしています。彼の母リサ・パーリー=ダッチャーは、先住民族の子供たちが通ったデイ・スクール(寄宿学校ではないが、先住民文化の抑圧が行われた学校)の生徒で、そこで母語を話すことを禁止されました。その結果、家庭内には言語が存在していたものの、母は流暢に話せなくなっていました。しかし、ジェレミーの影響を受け、母は仕事を辞めてウォラストク語を2年間学び、ニューブランズウィック州初のウォラストク語イマージョンスクールを開くという新たな夢を追い始めました。また、彼の人生と音楽に大きな影響を与えたのが、エルダー(長老)のマギー・ポールです。彼女はジェレミーが生まれた時から知る存在であり、伝統的な歌のアーカイブ録音を紹介した最初の人物でした。ジェレミーは「これは僕の物語であると同時に、彼女の物語でもある」と語っています。
マギー・ポールについて ▶ こちら

トゥー・スピリット THE TWO-SPIRIT
ジェレミー・ダッチャーは、クィアでトゥー・スピリット(先住民族の伝統的なジェンダー概念)を持つアーティストとして知られています。2022年夏に放送された『Canada’s Drag Race』のシーズン3にもゲスト審査員として出演しました。2018年のポラリス・ミュージック・プライズのパフォーマンスでは、高ウエストのボクサーブリーフと長いシアーブラックのケープという大胆な衣装で登場。その理由について、「自分が子供の頃にこういうイメージを見られたらどう感じただろう? 田舎で育った若い先住民族が、テレビをつけた時に大きなブラウンボディ(先住民族の体)が堂々と表現しているのを見られたら?」とCBCのインタビューで語っています。
CBCのインタビュー▶ こちら

活動家 THE ACTIVIST
2019年のジュノ賞「インディジナス・ミュージック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」受賞時、彼は受賞スピーチでカナダ政府に対し、真実と和解(Truth and Reconciliation)について行動を求めました。しかし、スピーチの途中で音楽が流れ、発言が打ち切られました。しかし、最終受賞者であったThe Arkellsが彼を再びステージに呼び戻し、彼のメッセージを最後まで伝えさせました。この瞬間は、先住民族の文化ルネサンスとカナダ音楽シーンの交差点に立つジェレミーが、政府に対して透明性と尊重を求める象徴的な出来事となりました。
ジュノ賞スピーチ ▶ YouTube

ディスコグラフィー Discography

Motewolonuwok ᒣᑏᐧᐁᓓᓄᐧᐁᒃ
Jeremy Dutcher (2024)
6年ぶりとなるセカンドアルバムは、より自由で革新的なサウンドを展開。ウォラストク族の精神性と現代の音楽表現が融合し、声・ピアノ・電子音が織りなす新たな音世界へ。2024年ポラリス賞を再び受賞し、さらにADISQガラ フェリックス賞(バイリンガル/その他言語部門)も受賞。
