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「明るい太陽は宝物」
 サマーハウスで過ごすスウェーデンの夏至祭

寒くて暗い冬から解放された夏は北欧の人達にとって明るい太陽は宝物です。そして殆どの家族がサマーハウスを持っています。私の留学時代からの親友も自分が育った古い家を少しずつ改装して夏の間は娘や孫たちもスケジュールを組んでサマーハウスとして使っています。
場所はヴェルムランド地方でこの地域の民謡(ヴェルムランド)は日本の人たちにも愛されています。
1960年代初めにストックホルムに住んでいたころ、海外渡航が自由化されていなかったため日本人も少なく大学の研究室から派遣された単身赴任の教授たちくらいでしたので私たち夫婦のアパートによく集まっていました。その時に流していた音楽が(ヴェルムランド)でした。その哀愁に満ちたメロディーはなぜか心に響いて皆さん涙を浮かべて聴き入っていたのを思い出します。冬の間の週末は誰かの家に集まってワインを片手に長い夜を過ごすのです。
それが夏至祭の頃になると人々の気持ちも一変し外での生活が主になります。親友のサマーハウスに夏至祭の日に招かれて過ごした時、都会から歸郷した人たちは広場のメイポールの周りにスウェーデンの民族楽器ニッケルハルパの音色に導かれるように大勢の人が集まって来てフォークダンスが始まりました。ダンスをしたり、ゲームをしたり大人も子どもも思いっきり楽しみます。夜は明るく、それぞれが料理やデザートを持ち寄って公民館のような場所でテーブルセッティングをして久し振りに故郷に帰ってきた人たちとの会話も弾み強いお酒のスナップスと共に「夜が明けていきました。
夏のサマーハウスはお手洗いも外の小屋で都会での生活とはまるで違ったプリミティブな自然の中での暮らしは、幼い子どもたちにとって近代化された日常生活の中で大切なことを学ぶ有意な体験だったと思います。

 
川上 玲子 Reiko Kawakami
北欧建築・デザイン協会 会長、(公社)日本インテリアデザイナー協会 理事。 
前川國男建築設計事務所勤務後、スウェーデン国立美術工芸デザイン大学に留学。帰国後は建築空間におけるテキスタイルアートやデザインを手がけ、インテリアデザイナーとして盛岡グランドホテル、岡山県庁、横浜市中央図書館、輸入住宅のモデルハウスなどに携わる。武蔵野美術大学客員教授、(公社)日本インテリアデザイナー協会 理事長を歴任。
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